こんにちは、ぽこぱぱです。
カレーというと日本では海軍から広まった
カレーが主流ということになるんでしょうか。
イギリス式の「ルー」を使うカレーが
多いですよね。美味しいので大好きです。
インドカレーももちろん好きで、たまに
インドカレーのお店に行くんですが、
どうやらインドじゃなくてパキスタンの
カレーだったようで。インドって出して
売ったほうが良いんですかね。
さて、今回取り上げるのは日本で初めて
本格的なインドカリーを製造販売した
老舗メーカーと、そのインドカリー誕生に
まつわるお話です。「恋と革命の味」と
キャッチフレーズが付けられた理由なども
見ていきたいと思います。
日本で初めての本格インドカリーの販売は中村屋

出典:http://www.tamagawa-sc.com/
東京新宿にある「中村屋」
ここは1日に2000食ものカリーを売る、
次から次へとお客さんがくる人気店です。
こちらは日本で初めてクリームパンや
本格インドカリーを販売したお店として
有名ですね。
創設者は相馬愛蔵・黒光夫妻です。
相馬愛蔵さんは長野安曇野の出身で、
現在の早稲田大学を卒業後、漢学者の
星雄記の孫の黒光さんと結婚します。
最初は安曇野に住んでいたお二人ですが、
黒光さんが田舎の気風が合わなかったこと、
健康を崩し療養したかったことから上京。
その後は東京の本郷にパン屋「中村屋」を
開業します。1904年にはクリームパンを
発明しています。
インド式カリーもこちらの中村屋が初めて。
亡命したインド独立運動家を匿っていた
ときに、命がけで守ってくれる相馬家に
振るわれたものだったんだとか。そこには
娘さんの俊子さんも関わっていたようです。
中村屋のインドカリー誕生の経緯
二人の間に生まれた1男1女の子供達。
長男の正秀さんは日本陸軍戦車隊の
一員として沖縄戦を戦い、1945年の
6月に戦死します。
娘さんは結婚して樋口哲子さんと
名字が変わっています。
「父ボース―追憶のなかのアジアと日本」
という本を書かれています。
ラス・ビハリ・ボースの亡命と相馬家
第一次世界大戦当時、イギリスの植民地だった
インドの独立運動の中心人物だったラス・
ビハリ・ボースはイギリス政府から命を
狙われ日本へと亡命してきました。
イギリスと同名を結んでいた日本政府は
ボースを国外退去させようとしますが
世論は反発。相馬黒光も憤った1人でした。
日本にいた活動家が間を取り持ち、ボース
は中村屋の裏庭にアトリエに匿われます。
この時相馬家にカリーが振る舞われたとか。
ボースと相馬俊子の結婚

出典:http://isibotoke.blog68.fc2.com
イギリス政府が雇った探偵に追われ、
日本でも逃亡生活を続けることになった
ボースですが、ボースとの連絡係になった
のが相馬夫妻の娘、俊子さんでした。
その後1918年に二人は結婚。当時としては
珍しい国際結婚でした。しかも夫は英国政府
に追われている身。隠れ家を転々とする
生活を余儀なくされ、俊子さんは体を
崩していきます。
二人は麻布や青山など17回も点々とし、
人目につかないところばかりを選んで
住んでしました。精神的に不安定だった
ボースが「自分を愛しているなら、死んで
ほしい」と愛を確かめる事を言ったことも。
愛を証明するために飛び降りようとした
俊子さんをボースは必死で止め、愛を確認
したそうですが疲れていたんですね。
その後追跡は無くなり、ボースは日本に帰化。
「防須」と命名したのは後の首相・犬養毅です。
家を構え、1男1女に恵まれます。ですが、
俊子さんは肺の病気になり26歳の若さでこの世
を去ります。わずか8年の結婚生活でした。
インドカリー発売「恋と革命の味」
傷心のボースでしたが、何とかそれを
受け入れ、乗り越えます。そして相馬
夫妻に「本格インドカリーを出したい」
と提案したのでした。
当時はイギリス式のカレー粉を使ってルーを
作るカレーが主流でしたが、ボースは
インド式にこだわりました。厳選された
素材、スパイスを使った本格的なものでした。
名前も普及している安価な「カレー」とは
違い「カリー」とし、街の洋食屋のカレーが
10銭の時代に、中村屋のカリーは80銭でした。
それでもその味に魅了され、「中村屋の
カリーを食べることがステータス」といわれる
ほどの人気となります。
「恋と革命の味」といわれたこのカリー。
革命を夢見たボースが亡命してきて
俊子さんと恋に落ちたことで日本で
人気のメニューとなったんですね。
俊子の子供達は?
俊子さんとボースの間に生まれた1男1女の
子供達ですが、長男の正秀さんは日本陸軍
戦車隊の一員として沖縄戦を戦い、1945年
6月のに戦死しています。
長女の樋口哲子さんは父親のことなどを
まとめた書籍を出版されています。
「父ボース―追憶のなかのアジアと日本」
というタイトルです。
まとめ
日本で初めての本格インドカリーに
まつわる革命と恋のお話について
簡単ではありますが見てきました。
逃亡中のお二人の生活を考えると
気が休まらない中でボースにとって
俊子さんの存在がどれだけ助けに
なったのかは想像できますね。
また、愛する人を守るためなら
人目を忍んでの逃亡生活も厭わない
という俊子さんの愛の深さにも
尊敬の念を感じます。
中村屋には最近行けていないので、
今度はこの話を思い出しながら
カリーを味わってみたいと思います。
ちなみに俊子さんについて、
6月20日の「コレ誰?!偉人伝」で
取り上げられうそうです。
もっと深い内容が知れると思うので
楽しみにしたいですね。