毎年旧正月13日に開催される
愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」
ふんどし姿の男達が勇ましく駆けまわる
天下の奇祭の「アレ」ですね。
その主役となる「神男(しんおとこ)」
令和初の神男は稲沢市在住の会社員の
下園将平さんという若者です。
今回はそんな栄誉ある神男に選ばれた
下園さんについてや、神男に選ばれる
プロセスについてなど見ていきます。
裸祭りとは?
「裸祭り」とは、祭りの参加者が、
生誕した時と同じ裸体となることで
清浄無垢の姿で神との交渉を行う
神聖な祭事とされています。
季節に差ありますが、北海道から九州まで
全国様々な場所で行われています。
国府宮はだか祭りとは?
愛知県稲沢市の国府宮神社で
行われるはだか祭です。正式には
「儺追神事」(なおいしんじ)といいます。
1200年以上続いているこの祭りですが、
はだかでのお参りという形になったのは
江戸時代末期ころと言われています。
儺追神事の当日、午後三時に神男が参列し
本殿において「儺追神事」を斎行します。
その頃拝殿の外では近隣各地区からの
裸男達の集団が次々と「なおい笹」を捧げ
威勢良く拝殿へ駆け込んで来ます。
最後に小池正明寺地区の手桶隊が登場し、
裸男達をめがけて水をかけます。
この時から神社周辺は異様な雰囲気に包まれます。
神事の最中、神男は警護の者に守られ、
裸男達の中に飛び出します。
裸男達は、神男に触れる事で自分達の
厄災を祓うことが出来ると信じ、
一斉に神男に殺到します。
神男が、はだかの群集に揉まれ触れられ
儺追殿に納まり、神事が終了致します。
褌、サラシ、足袋を身に着けていれば
裸男として参加できます。
「神男」を決める選定式とは?
数千人のふんどし姿の男たちが揉み合う
国府宮神社のはだか祭の主役となる
たった一人の神男を決めるのは
選定式と呼ばれる神事で選ばれます。
神男の志願者を集め儺追殿で神事を行い
神籤(みくじ)により儺負人を決定します。
要はくじ引きで決まるということですね。
世のあらゆる厄災を一身に背負うとされ、
祭り当日は、神男に触れて厄を落とそうと
数千人のはだか男たちが境内や参道で
激しく揉み合うはだか祭りの主役の神男。
運命的な運を持っていないとなれないんですね。
神男となった男性は三日三晩日常を離れ
境内の儺追殿にこもり、身を清めて
本番に備えるそうです。大変ですね。
ちなみにくじには1番くじと2番くじがあり
2番くじは控えとなります。
はだか祭り2020の神男は下園将平さん
- 名前:下園将平さん
- 年齢:28歳
- 在住:愛知県稲沢市祖父江町中牧
- 職業:会社員
令和初の神男となるのは稲沢市在住の
会社員・下園将平さんです。
平成生まれの神男はは三年連続で
三人目となります。
下園さんが選定式に臨んだのは2回目で
今回念願の1番くじを引き当てました。
18歳の時に初めてはだか祭りに参加して
その頃から神男になるのを憧れていた、
という下園さん。ついに願いが叶って
よかったですね。
「感無量です。国府宮に命を捧げ大役を全うする気持ちひとつです」
と語っています。
下園さんは祭りの3日前から儺追殿に
籠もり身を清めて、2月6日の祭りでは
多くの男達に触られ掴まれながらも
拝殿へ駆け込むことになります。
大きな怪我なく神事を終えてほしいものですね。