こんにちは、ぽこぱぱです。
冒険・発見は男女問わずロマンですよね。
約1年前に歴史に消えたはずのあるものが
和歌山県で発見されました。
あるものとはウルシ科の「ハゼノキ」の
一つである「ブドウハゼ」という樹木の
原木です。昭和30年頃に枯れたと
言われていたブドウハゼを見つけたのは
なんと地元の高校生でした。
そんなブドウハゼ、魚の名前みたいですが
一体どんな樹木で、どんな経緯で高校生に
発見されたのでしょうか。
ブドウハゼとは?
「ブドウハゼ」とは、和ろうそくなどの
原料となるウルシ科の樹木「ハゼノキ」の
一つで和歌山県発祥の樹木です。
ブドウハゼは江戸時代に九州から和歌山に
持ち込まれたハゼノキが突然変異したもので
和ろうそくにとって良質な成分を多く含み、
盛んに作られていました。
ブドウハゼは、ハゼの4大品種の一つで、
ブドウの房のように実がなります。
ハゼの実から抽出される櫨蝋は、
人の体になじみやすい特性があり
化粧品などにも利用されます。
ブドウハゼはかつて県の天然記念物として
指定されていましたが、1950年代中頃から
洋ろうそくが台頭し需要が減少しました。
柿や柑橘類に切り替える農家が増え、
樹木の栽培が途絶え、昭和30年ごろには
枯死したとされていました。
そんな消失してしまったと思われた
ブドウハゼですが、和歌山県紀美野町で
2017年12月に原木が発見されています。
ブドウハゼを地元の女子高生の横田沙羽子さんと三木明音さんが発見!場所は?
発見したのは、りら創造芸術高校の
横田沙羽子さんと三木明音さんで、
場所は和歌山県中部の紀美野町の
北西部の松瀬地区でした。
地元のりら創造芸術高校の生徒たちは
平成27年からフィールドワークとして
ブドウハゼの調査として地域住民への
聞き取りを行っていました。
途絶えてしまったブドウハゼについて、
「存在を忘れられただけで、今も竹やぶの中に残っている」
との証言を得て捜索を行っていたのです。
横田さんと三木さんは険しい竹やぶの中で
探していったところ、幹回り約158センチの
ブドウハゼの原木をついに発見しました。
見つけた時のことを
「資料とした昔の写真と照らし合わせると、木の形状や背景にある山の稜線(りょうせん)の角度などがそっくり。感動した瞬間でした」
と語っています。
ブドウハゼの栽培や利用方法は?志賀野ブランドのPR?
歴史の中で消えていったと思われていた
ブドウハゼの原木の発見は地元にとって
非常な大きなことです。計画では、
地域の耕作放棄地などにブドウハゼを
挿し木し、5年後には千本に増やすことを
目指しています。
ブドウハゼはの実から抽出される櫨蝋は、
人の体になじみやすい特性があり、
おしろいの下地や力士が髷を結うときの
鬢付け油、ハンドクリームやワックス剤等
さまざまな場面で活用できます。
ブドウハゼが見つかった紀美野町北西部の
旧志賀野村地域は、昭和の町村合併で
名前が消えた「志賀野」という地名で、
この「志賀野」という地名復活のための
プロジェクトも行われています。
ブドウハゼの栽培や移住支援などを通して
「櫨蝋の里 志賀野活性化プロジェクト」
というプロジェクトが進められています。