こんにちは、ぽこぱぱです。

会社のトップには従業員や顧客を大切にして

欲しいものですね。3年前にアメリカの

ハンプシャー州のあるスーパーマーケットに

対して住民が抗議活動を行いました。

 

それは「アーサーTを返せ」というものでした。

アーサーTとはアメリカのスーパーマーケット

「マーケット・バスケット」の経営者だった

人物なんですが、とある事情で経営から

排除されてしまった方なんです。

 

アーサーTとはどんな人物なのか、

なぜ排除されてしまったのか、

などなど調べていきたいと思います。

アーサーTのWiki経歴・プロフィール 本名や経営哲学は?

  • 名前:アーサー・T・デモーラス
  • 職業:マーケットバスケットCEO

 

アーサーT氏はアメリカのスーパーマーケット

チェーン「マーケットバスケット」の

最高経営責任者(CEO)に2008年に

就任しています。

 

アーサーT氏の経営哲学は一貫しており

「人」を大切にしています。会社を

支える従業員を大切にし、商売は二の次。

仕入れ値が下がれば、それを会社の利益に

せず、まず客に還元していました。

 

会社とは社会のためにあり、商売よりも

人を優先すると公言しており、賃金も

他社に比べて高く、福利厚生やボーナス

などといった部分も手厚くしていました。

 

薄利の商売でしたが、顧客を大切にした

経営がうまくいき、アーサーT氏が就任する

前の年間売上高30億ドルから約40億ドルに

増加させ、従業員数も増やしていきました。

アーサーTがCEOを務める「マーケットバスケット」とは?

前述の通り、マーケットバスケットは

アメリカのスーパーマーケットです。

マサチューセッツ州、メイン州、

ニューハンプシャー州などにチェーン

展開しており、79店舗あります。

 

1916年にギリシャから移民してきた

兄弟が立ち上げた食料品店が始まりで、

1954年にその兄弟の子供たちにより

「マーケットバスケット」になります。

 

会社は家族経営での運営をされており、

アーサーT氏は創業者の孫に当たります。

全国規模のウォルマートなどとは一線を

画しており、低価格商品やサービスで

人気のスーパーマーケットです。

 

約200万人が利用するスーパーで、

経営は創業者、子供たちで拡大され、

2008年にアーサーTとその弟の

アーサーSに世代交代を行っています。

アーサーTが解雇!アーサーSとのお家騒動

そんな兄弟で会社を受け継いだアーサーTと

アーサーSですが、経営に対する姿勢は

正反対でした。

 

・人を大切にするアーサーT

・利潤を大切にするアーサーS

 

といった感じになっており、個人的には

アメリカ人はアーサーSのイメージです。

従業員は家族同然とするアーサーTは

前述の通り従業員の待遇を手厚くし、

顧客に利益を還元するという経営方針で

運営を行っていました。

 

このアーサーTの経営方針に対し、

アーサーSは年間売上高が10億ドル増えて

いても株主利益を追求していないと

アーサーTに疑問を呈していました。

 

マーケットバスケットの株式はアーサーTが

49.5%を保有していましたが、アーサーSや

他の親族等株主が50.5%を保有し、

2014年6月にアーサーTに対して

「利益を株主に反映していない」として

排除を行ったのでした。

アーサーTをかえせ

アーサーTに対してが社長を解任された後、

取締役会は2人のCEOを雇いますが経営は

下降線を辿ります。アーサーTの側近幹部の

8人も職場放棄を実行しました。

 

従業員もそれをみて仕事をボイコットします。

そして、この騒動は顧客にも伝搬します。

多くの客がプラカードを持つなどして

「アーサーTを返せ」をデモを行いました。

 

幹部・従業員・顧客だけで自体は収まり

ません。取引先とも非常に有効な関係を

築いてきたアーサーT。それを慕う関連の

会社からもボイコットをくらいました。

 

物流トラックの運転手にまでボイコットは

波及し、「客はいない、従業員はいない、

品物はない」という状態に。

 

従業員らは顧客に「アーサーTが会社に

帰ってくるまで買わないでくれ」と

不買運動まで行いました。とてつもなく

慕われていたんですね。

マーケットバスケットの奇跡

この不買運動はSNSなどで拡散したり、

Youtube等動画サイトで拡散され、

最終的には200万人規模の抗議活動に

なってしまい、全米ニュースでも

取り上げられることとなります。

 

顧客はマーケットバスケットで買い物を

しない代わりにウォルマートなどで

買い物をしたのですが、そのレシートを

店に貼り付けて

 

マーケットバスケットはこれだけ損をした

 

と抗議活動も行ったんだとか。

 

こうした活動はなんと約2ヶ月に渡って

続き、政治家も介入してきます。

というのもマーケットバスケットへの

ボイコットによって困った業者が

政治家らに嘆願したためです。

 

ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州

知事が和解交渉のための仲介役となり、

改善を提案。結局最終的には160人もの

政治家を巻き込むこととなりました。

 

結局アーサーSはアーサーTの経営復帰を

認めることになるのですが、親族が保有する

55.5%の株式を総額15億ドルで購入しろ、

と条件をつけてきます。

 

「そりゃ無理だろ」と思いきや、地元の

有力者や投資会社が資金を援助した結果

アーサーTは経営に復帰。騒動は沈静化

しました。

マーケットバスケットの現在は?

2014年8月に経営に復帰したアーサーTは

すぐに解雇されたりボイコットしていた人を

復職させ店舗の運営状態を立て直し、

マーケットバスケットは再開します。

 

一連の騒動はマーケットバスケットの奇跡と

言われ、このお家騒動は日本でも書籍化

されています。

奇跡のスーパーマーケット [ ダニエル・コーシャン ]
by カエレバ

 

復帰したアーサーTは顧客や従業員の前で

 

働く人にとって誇りと尊厳ある職場を提供すること、その文化を守ることが人の道であり企業の社会的責任である

 

と述べ、今現在もCEOとして従業員と

顧客を大切にする経営を行っています。

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